Self Assessment

人類史上で最大の「富の移動」が起きている…中国ハッカーによる「知財盗み」の想像を絶する被害額

Published On : 2023-07-19
Share :
人類史上で最大の「富の移動」が起きている…中国ハッカーによる「知財盗み」の想像を絶する被害額

<元MI6(英秘密情報部)のサイバー専門家である筆者が見てきた、中国による「国家ぐるみ」のサイバースパイ工作の実態と規模とは>

近年、人類史上で最大規模の富の移動が起きていることをご存知だろうか。

その事実は数字から見れば歴然である。世界最大の経済大国であるアメリカの企業だけを見ても、知的財産(IP)が盗まれたことによる損失は、年間で約2500億~5000億ドルに上る。とんでもない規模で知財が盗まれている。

さらに特筆すべきは、それら損失のうち、サイバー攻撃による被害は1000億ドルほどになることだ。しかもウィルス感染などの攻撃によって組織の機能が停止したり、修繕にかかる「ダウンタイム」のコストを考えると、その被害額は3倍に膨れ上がると指摘されている。

こうした知的財産を守るためにはさまざまな課題が存在するが、その中でも最大の脅威と言えるのは、中国からの攻撃だ。

私がMI6(英秘密情報部)に勤務していた時代にもすでに、中国軍が「サイバー戦争兵器」を構築し始めていたのを見ていた。ハッカーのリクルート方法、訓練方法、攻撃対象は急速に拡大していた。中国のサイバー軍は、政治的、イデオロギー的に敵対する者をターゲットにすることがほとんどだったが、ここ10年で、経済的な目的を推進するための企業スパイ活動に主要な目的をシフトしている。

続きはこちらから